2月15日(木)、秋田県庁県政記者会見室にて「株式会社ドリームリンクとの事業提携に関する記者会見」を行いました。

株式会社ブラウブリッツ秋田 岩瀬浩介 代表取締役社長

お足元悪い中、お集まりいただきありがとうございます。また、日頃よりクラブの活動を広く取り上げていただいておりますことをこの場をお借りし、御礼申し上げます。
早速ではございますが、本事業提携のご説明をさせていただきます。
Jリーグでは毎年、140名程の選手たちがリーグから登録抹消、いわゆる全員ではないにせよこの数字の大半の選手が契約満了となっております。
その後の進路については様々ではあるものの、下部リーグ・海外への移籍:45%、Jクラブへの就職が20%、サッカー関連の就職:6%、一般就職:12%、就学・進学:2%、未定:15%という傾向となっております。
実情を申し上げますと、下部リーグへの移籍者の中には、サッカー以外の選択肢を見つけることが出来ず、下部リーグに移籍を余儀なくされている選手も見受けられます。そういった中で、現役生活を終えた後にも不安なくセカンドキャリアに選手が進めるような選択肢を増やすことが本事業提携の目的の一つであります。
引退後のキャリアの不安を解消することで、現役生活に集中することが出来、成績の向上に繋がることだと感じております。また、そういった魅力ある制度があることによって、強化としても選手へPRができ、ひいては良い選手の獲得につながってくることと感じております。
また、本事業提携の枠はトップチームだけでなく我々の下部組織にあたるユース(U-18)の選手たちにも役立てられると思っております。現在ジュニアユース発足から8年が経過し、ユース選手も昨年、今年と卒業生が出ております。それぞれの進路については主に大学進学となっておりますが、就職希望の選手には、選択肢としての幅を広げることができると思っております。
選手はもちろん、保護者の不安も解消することで、トップチーム同様、ユースに加入する選手強化に直結するものと思っております。
さらには、「スポーツ」と「飲食」という業界の垣根を越えお互いのリソースを活用し、新卒選手や新入社員相互の人材育成にも取り組んで参ります。
具体的には、新卒選手やフロントスタッフの新入社員を対象に、ドリームリンクさんの飲食店で接客をメインとした社会人研修を実施して参ります。それを通して、サービス等を学びプロとしての立ち振る舞いなどに活かせればと考えております。逆にドリームリンクさんの新入社員などにおかれましては、私たちのホームゲームの運営ボランティアスタッフとして参加いただき、飲食店とは全く違う舞台で様々な感性を養っていただく社外研修を行って参ります。
以上が概要の説明になります。

株式会社ドリームリンク 村上雅彦 代表取締役

今日はお忙しい中ありがとうございます。改めましてドリームリンクの村上雅彦です。よろしくお願いいたします。今、岩瀬社長からも説明があったとおりでございます。私たちは秋田に本社を置いており、経営の理念に「世界中を幸せにする」と掲げ、事業を営んでおります。その実現の手段として、利益を地域社会のために使っていこうということがあります。今回はその考え方の一環に基づき、日頃親しくさせていただいており、また尊敬申し上げております岩瀬社長との話し合いの中で、こんなことができたら素晴らしいのではないかと日頃色々なことをお話ししている中で、秋田県のため、またブラウブリッツ秋田のために、私たちがお役に立つことができることが今日一つ新たに形となり、大変喜んでおります。
選手の方々のセカンドキャリアを第2の人生と考えていきますと、私が小耳に挟む形では大変苦労されていると伺っております。幼い頃よりスポーツに打ち込んできて、母校のため、また日本のためにと志して頑張ってきている中でも残念ながら選手生命があり、その後の自分の将来を考えていらっしゃらない方が多いのではと伺っています。そういった中で、どうやって生きていけばいいのだと第2の人生となった際、飲食店をやられる方が非常に多いそうです。知名度を活かして焼き肉屋をやったりとか、お酒を飲むお店を開いたりなどです。ただ、飲食店経営はそれほど容易くはありません。今、お店を持って成功する確率は1%もないと思っております。つまり、99%の人たちはこの難しい業態で失敗をします。失敗をするということはどういうことを意味するのかというと、悲惨な将来が待っているわけです。離婚や自己破産などをした方を、私自身、今まで見てきました。そういった中で、一生懸命スポーツに取り組んできた方々が安心して第2の人生を生きていける、またそういった基盤を準備することによって、現役時代思い切って何の不安もなく打ち込むことができるといったことが実現できたら面白いですねといった考えから、今回の事業提携になりました。
実は、この事業提携はドリームリンクにとっても大きなメリットがあります。今、飲食業界は人材難となっております。そういった中で、スポーツされている方と私たちの業界というのは非常に相性がいいと思っております。彼らは第一に体力をお持ちです。そして、相手チームや自分のライバルを分析するというところで分析能力にも長けていると思います。さらに、一般の方たちと比べて瞬発力・集中力の点で、非常に高い能力をお持ちだということです。これらは私たちのサービス業にとっても非常に大事な能力なのです。以上から、スポーツ選手と私たちの業界は非常に相性がいいのではないかと思っております。つまり、私たちの会社にとっても大きなメリットがあり、またブラウブリッツ秋田にとっても大きなメリットがある。選手の方々にとっても大きなメリットがある。こういう制度があることで、秋田にいい選手が集まってくるということに必ずつながると思います。これは秋田県にとっても大きなメリットがあるということで、「4方良し」の仕組みではないかと考えています。
こういったものを秋田県民の方々にも考えていただくきっかけになればと思っております。また、ブラウブリッツ秋田はJ3で優勝されました。これからJ2、J1と目指して行かれるわけですし、ぜひ昇格していただきたいと思います。彼らのチームの秋田の街づくりという理念を実現するために、弊社だけではなく県民が一体となって、オール秋田でブラウブリッツ秋田を素晴らしいチームに育てることができればと、そして、今日がその一つとなることを願っております。一生懸命ドリームリンクといたしましても頑張りますので、どうかご支援の程よろしくお願いできればと思います。

質疑応答

セカンドキャリアのイメージとして、独立を支援するのか、それとも社員として働くのか、いずれもなのか?

村上様)基本的には両方ありだと思っております。選択いただいて、おやりになりたいことをやっていただくということでよろしいのではないかと思っております。ただ、私たちは社員独立制度を持っておりまして、この仕組みは細かい内容までは企業ノウハウに関わることですのでご説明はできませんが、独自の仕組みを作っております。現に、弊社の社員でこの仕組みを利用してお店を持っていこうと、もしくは持った方が5人以上います。この業界で成功するのは本当に難しく1%もいないという成功率の中で、社員独立制度は100%の成功率を誇っております。30歳くらいの実際にお店を持っている中で、年収で3,000万程という方も誕生しています。ほとんどの人が1,000万円を超え、しっかりと安心して、また飲食経営のプロである私たちが後ろにしっかりと構えておりますので、絶対に失敗させないという信念のもとやっております。
せっかくこういったいいものがありますのでこれをお使いいただくことが魅力のある仕組みになると思っております。

社会人研修等の相互の人的交流はいつ頃からどのぐらいの規模で実施するのか?

岩瀬)今年は一年で僕らも昇格しようということでJ1・J2での経験のある選手を多く獲得しましたが、新卒選手を獲得したタイミングで行いたいと思っております。
新入社員については4月から採用もございますので、そういった対象者が出次第、お願いをして研修をしたいと思っております。
ドリームリンク様の社員におかれましては、ブラウブリッツ秋田のホームゲームの試合を通じて、運営ボランティアを来ていただくという形になっております。

ブラウブリッツ秋田で引退をしてセカンドキャリアを模索する選手の人数は?

岩瀬)平均的には6〜8名ほどが契約満了の選手となります。そこから一般就職する選手は1、2名にはなりますが、私たちといたしましては、これまで2010年から発足以来約100名近く、クラブを出た選手たちがおります。次の移籍先に行った選手もいますけれども、そのクラブが終わった後も秋田に関わった選手たちがこういう制度を活用してくれたらと思っているので、過去にブラウブリッツ秋田に携わった選手達も対象になりますね。現役を引退したときに、飲食店の舞台で経営者として夢を持ってもらえればと思っています。また今回の提携で一番特徴的なのは、ドリームリンクさんは全国に100店舗以上の店舗を持たれているとういことです。ブラウブリッツ秋田に入って秋田で就職をしたいという選手は正直それほど多くはありません。そういう意味でも自分の地元、家族の出身地などで就職ができるということは非常に大きな利点となります。今回こういった提携で一つ魅力ができたのはクラブにとっても良かったと思っております。

引退をする選手は本人の希望があれば最初はドリームリンクの社員となり、本人の希望によって店舗などで独立を視野に働き始めることができるということか?

村上様)そうなると思います。
経営を学んでいかなければいけませんし、サービスもできないといけない、料理もある程度作れるようにならなければならないということですので、そういったところをしっかりとプロとしてやっていけるよう
学んでいただいて、同時に進路もご希望も聞きながら考えていく形になります。

他クラブでこういった事例はあるのか?

岩瀬)クラブ独自で民間の会社様とこういった事業提携をするのは私が知る範囲および、Jリーグにも確認したところ我々だけとなります。
人材派遣会社と契約されているクラブはありますが、こういった民間の一つの会社と提携しているのは初めてということです。