6月21日(金)、秋田県庁記者会見室において、ブラウブリッツ秋田ユース(U-18)設立に関する記者会見を行いました。
記者会見の内容をレポートします。

岩瀬浩介取締役社長

ブラウブリッツ秋田として来年度より高校年代におけるブラウブリッツ秋田ユースを設立することとなりました。

1つ目に資料にも記載しております、育成目標としている、トップチームの強化を目的とした、トップチームに昇格し、レギュラーとして活躍できる人材を育成すること。
2つ目に今後の秋田県のサッカー全体における育成強化をすることが出来るということ。
3つ目にJ2昇格におけるユース設立の義務となっていること。
この3つが設立の経緯となります。

1つ目のトップチームに昇格し、レギュラーとして活躍できる人材を育成とお話ししましたが、現在ブラウブリッツ秋田は23名中わずか4名しか県内出身の選手がおりません。ましてやリーグを折り返すところまで来ておりますが、レギュラーとして出ているのは熊林親吾、1名しかいないのが現状です。究極の話をすれば、将来的にはチーム全員が県内の各地域の出身選手に出来ればと思っています。それが何を生むかと言うと、日本代表の例を用いれば、代表の活躍で日本中の国民が盛り上がり、勇気そして希望、感動を得ています。さらに、日本の代表として戦う選手達を応援することにより私たちは日本の誇りを感じています。ましてや、あの日本代表の中に秋田県出身選手がいたと仮定をすれば、秋田県民の方々は当然その選手を応援し、秋田の代表として活躍する選手を応援することにより、県民は郷土愛を感じ地域コミュニティーは豊かになっていくはずです。
それを地域版に落とし込んだ形で考えれば、ユースの選手がトップチームに昇格し活躍することで、県内の各地域のスター選手として地域コミュニティーの活性化が図れると思っております。

2つ目においては、今現在秋田県ではユースチームは存在しません。全て高体連になりますが、中学校まで有能な選手が秋田県ではなく県外に流れてしまっている現状があります。例えば、青森山田高校、尚志高校(福島県)、聖和学園高校(仙台)に行ってしまっております。上を目指す子どもたちの環境を整備されていないということがありますので、秋田県の代表チームとして作っていかなくてはならないと強く思っております。
また、高体連のレベルが下がると言った懸念もあるかと思いますが、今後の秋田県のサッカーを考えたときに、子どもたちはもちろん、指導者の方々に対しての競争意識を持たせることが重要だと強く感じております。
私自信、鹿島アントラーズユースではなく地元の高校のサッカー部に入学しました。プロの環境で育成に励んでいる精鋭軍団を負かしたいという思いで毎日練習に励んでおりましたので、それが、指導者や子どもたちにとっても大切なのではないかなと思っております。

以上のようなことを踏まえユースの設立を決定いたしました。

資料にもあるように、サッカーだけを教える場ではございません。
理念としては、常に謙虚な心を持って日々感謝をしながら前向きに積極的に行動し、自らが判断できるプレイヤーとしてと言った部分があります。
また、コンセプトとしては、人間形成を大切にしていきたいと思っております。フットボーラーである前に、一社会人として大きく成長するため、多彩な能力を身につけ、どのような状況においても自ら判断し行動できる「自立」と、自分で考え走って考えることができる「自創(走)」をモットーに選手の育成を行います。
3つ目はフェアプレーの精神といった部分で、スポーツ選手としては当たり前の部分ですけれども、フェアプレーの精神を徹底的にはかっていきたいと思っています。

現在発足3年目を迎えた中学生年代のジュニアユースは、先日、日本クラブユース選手権の秋田県予選を1位で通過し、東北大会に出場します。東北で3チームが東北代表として全国大会となる高円宮杯に出場する形となりますので、そちらも注目いただければと思います。

育成の目標を現実的にするために、明日ジュニアユースから初めて3名の選手がトップチームの練習に参加します。これは、ジュニアユース、ユース、トップチームとの連携を図るとともに、子どもたちに対していつでもトップに上がれるチャンスの場を与え、良い経験と言いますか実体験をさせ、自分の体で感じることで大きな成長につなげさせることが目的です。また、トップチームの選手たちもユース世代の選手達のお手本となるプレーや、ある意味下からのプレッシャーを感じることで相乗効果が生まれるものと思っております。

実際来年J3参入がほぼ確実となっている中、16歳の県内出身の選手がJ3の舞台で出場することができることも事実です。

このような形で下部組織とトップチームを連動させることにより、子どもたちの環境を整えつつトップチームの強化を図っていきたいと思っています。
資料のピラミッドにあるジュニアユースの下には、現在県内の2地域でスクール活動を行っています。秋田市校では110名、大仙市校では60名の子どもたちがスクール生となっています。今後他地域で開校し拡大していく予定です。
また、小学生未満のキッズ年代の普及についても拡大を図っていきたいと思います。

質疑応答

ユースの選考と人数について

【新里】ユースという形で立ち上げますから現在のブラウブリッツ秋田とのジュニアユースを含めて広く募集します。
人数については20名前後となり、選ばれた選手たちは新しい監督とともにユースチームとしてスタートしたいと考えています。
必ずしもU-15の子どもたちがすべてU-18にあがれるわけではありません。
トップチームで戦える選手たちと育成目標にもあるとおり、トップチームに昇格してレギュラーとして活躍できる人材を考えていますから、コンセプトに合う人材を発掘してスタートさせることが大切だと思います。
くくりをつくらず、秋田県内の選手たちは募集をかけて、一人一人しっかり見ていきたいと思っています。

【岩瀬】セレクションは行います。我々が育ててきたジュニアユースが中心となるとは思いますけれども、プラスαでほかの子どもたちも広く見ていきたいと思っています。

【新里】人数というのは大枠というか予定というところなので、いい選手、いいチャンスと目標を持ってもらいたいと思っています。大枠としてということです。他県の子どもたちからの応募があったときにはそのときどきの対応をしていきたいと思っていますが、中心となってもらいたいのはブラウブリッツ秋田という名前もありますし、ここで培い育ってきた子どもたちを、僕らは大切にしていきたいと思っています。

具体的な始動は?

【岩瀬】本来ならば年度でしょうけれども、練習はじめは1月から3月になるかと。

【新里】監督の考え方ということもあると思いますが、クラブとしてはできるだけ早くスタートさせたいという思いはあります。

監督は選任の人をおくのか?

【新里】はい、そのつもりです。トップチームと共有をしてもらい、ユースチームだとはいえ、ユースチーム=ヤングチームとしてトップチームに直結する選手たちを育成していきたいという考えもあります。また、ジュニアユースの進め方とユースの進め方では違ってくるところもあると思います。
トップにより近い考え方が導入された中で進められていくことでしょう。

練習拠点は?

【岩瀬】これが一番の問題となるかと思います。ジュニアユースが潟上のフットボールセンターで行わせていただいていますが、県内のスポーツ施設が少ない中で、ユース世代のチームを運営していく上で一番の鍵となるのは環境の部分です。正直申し上げますと、まだ決まっておりません。自治体の方方々を含めてお願いにあがりたいと思っております。

J3で高校生の選手は出れるのか

【岩瀬】16歳以上であれば出られます。そういった機会を増やしていきたいです。