12月19日(木)、秋田市のあきぎんスタジアムにて「吉田謙監督 就任記者会見」を行いました。
株式会社ブラウブリッツ秋田 代表取締役社長兼強化部長 岩瀬 浩介 ご挨拶
日頃より物心両面でのブラウブリッツ秋田へのご支援ありがとうございます。私のほうより、吉田謙監督の招聘についてお話させていただきます。
まずは私たちから「AKITA STYLE」というフィロソフィをお示しさせていただきました。
1つ目にに「誠実・献身」2つ目に「躍動」3つ目に「粘り強さ」そして最後は「挑戦」という4つのキーワードで秋田の方々へお伝えしようと、これまで積み上げてきました。4つの秋田スタイルを体現出来る監督として、これまでのJ3で実績を持った吉田監督が秋田が求めるスタイルを体現出来ると確信してオファーさせていただきました。そしてもうひとつ、指導者としての実力は皆様もご存じのとおりの実績、そして吉田監督は育成年代を長らく指導さえれていたこともあり、選手との寄り添い方、そこから輩出されていった数々の選手の存在が吉田監督自身の指導の賜物だと思っています。クラブが掲げる、ひとつひとつ勝利を重ねていくという部分にも期待しております。
何よりも勝利への執念という部分を対戦相手として感じておりました。そういった部分も招聘した理由のひとつです。ただ、アスルクラロ沼津というクラブで20年間にわたり指導に携わってきておりますし、そういった中で今回秋田へ来ていただいたことに感謝しております。
共に秋田県の未来を築いていきたいと思います。
吉田謙監督 ご挨拶
はじめまして、吉田謙と申します。
挑戦心溢れる素晴らしいクラブで監督をさせていただけることに感謝申し上げます。
クラブ一体、選手一体、秋田県一体でよじ登りたいと思います。
よろしくお願いいたします。
質疑応答
秋田の気候などを含めて秋田の印象は?
空気の澄み切った、お米の美味しい、スポーツを通じてこれからの若者に僕らクラブがどれだけ貢献出来るか、
発展していけるかということを考えながら素晴らしい県だと思います。
監督として貫いているサッカーのスタイルやモットーは?
チームのためにひたむきに頑張る、スポーツの最も大事な部分、勝つことよりも価値のある人に訴えかけられるようなもの、それを一体で選手から発信して秋田県の皆様に我々クラブが活力源となれるように、観ていて躍動出来るものを選手たちと一緒に表現していきたいです。
J2昇格という目標へ対戦経験がある秋田というクラブをこう指導していきたいというものはあるか?
ベースは走る、ひたむきに走る。その姿を1分、1秒、ワンプレー、最後まで隙なくやり切れるか。
その先によじ登ったものがあると思いますけども、まずはそこから入っていって登りつめれればなと思います。
対戦経験がある中で秋田の印象と走るというベースをどう加えていきたいか?
秋田の印象は、丁寧なパスが多かった。素晴らしい積み重ねの中、チーム全体で前進する、攻撃の方法、そして堅守からのカウンターという点は非常に素晴らしいというか、積み上げてらっしゃるなと。そこに更に強く、速く、正確にプレーするというスピード感を求めたい。アスリート能力を上げないといけない。パスを回すというよりもゴールへ向かう力、フィジカル的なもの、心のもの、走ることをベースに相手より走って走って走り勝つというものを植え付けていきたいと思います。
オファーを受けようと思った1番のきっかけは?
秋田の情熱、社長含めスタッフの情熱を僕に託してくれた嬉しさ。それとよじ登っていこうというクラブ、県のパワーを感じ取れた。一緒に挑戦して躍動して共に走ってという部分が僕の考えと非常に合っていました。だから僕も共に挑戦したいと思いました。
新シーズンで掲げたいキーワードは?
一体ですね、秋田一体、チーム一体。そして攻守一体ですね。攻撃も守備も隙がない。攻撃をしているけれども守備もしている。守備をしているけれどもそれは攻撃のためである。それには走って信頼してひたむきさがあって、繋がっていなければ出来ないことだし、絆がなければ絶対に出来ない。絆がないと一体にはなれないので、皆様の応援も一体ですので一緒に戦っていただければ、そんな嬉しいことはございません。
育成年代での指導はどう活かされているか?
選手は必ず伸びる。愛して信じれば、この選手はダメなんかじゃない。この選手は光輝くんだという想いを込めて接することが非常に大事かなと思っています。幼稚園生の担当もしたことがありますが、出来ないことを出来るようになる手伝いをしようと。失敗しないと失敗する。失敗は挑戦であって失敗ではない。ただ失敗で終わっていたら本当の失敗なので、成功するまでやり続けてごらん。僕はそれに付きあうという意識です。
これまでに秋田とのつながりは?
特にないですが、沼津がJ3に昇格したときに非常に粘り強い、優勝された印象は強いです。
編成については監督の意向が反映されているのか?
徐々に。走れる、戦える、頑張れるということをリクエストさせていただいています。
選手同士の中で秋田と沼津が似ていると表現されることが多いようだが?
非常に嬉しいです。優勝を争わせていただいて、本当に秋田が最後まで諦めずにひたむきにという姿勢が素晴らしかったですし、僕らも同じスタイルでワンプレーワンプレー気持ちを込めてプレーしていたので積み上げられたものを継承していきたいです。
J2昇格というものに挑戦することになりますが、シーズンの運び方のイメージは?
沼津がJ3に昇格したときは、昇格するということはほぼ口にしなかったです。それよりも今を大事にして0.1歩ずつ必ず成長するんだというものを要求していました。100%の力で練習する、それを積み重ねていった先に素晴らしいものがある。1分、1秒、ワンプレー、一瞬一瞬を大事にして成長していくスピードと勝ち点のスピードが同じになって残り10ゲーム、色褪せることなく走り切れるか。そこから見えてくるものだと思うので、1日1日自己ベストを更新して、ひたむきにやっていく先に観ていた方々に感動を届けられると思っています。
J3の面白さ、難しさはどのようなところか?
1試合1試合成長していくチームが多い印象です。最後には一体となってまとまったチームが必ず勝ち点を積み上げていく印象です。どこのチームも潤沢な資金があるわけではないので、ひとつひとつ丁寧に取り組んで一体となるチームが必ず勝利しているところがやりがいにも感じています。
沼津を指揮しての今シーズンは12位という結果でしたが、どのような部分が難しいシーズンでしたか?
戦力的なものからいえば、鍛えて鍛えて手塩にかけて育てた選手が引き抜かれていく。だけど僕はすごく嬉しかった。J2や色々なところに引き抜かれるんですけども、教え子たちが羽ばたいていく、強くなっていく、心と体が成長して引き抜かれていく。間違っていなかったんだと思いますし、評価していただいていたことは沼津としても嬉しかった。そして、また新たな選手を鍛えて結果は12位でしたが、本当に日々挑戦して選手たちと一緒に戦ってきたので充実感、サッカーだけでなく人として成長してくれたら嬉しい日々思っているので、12位という結果論だけでいうのであれば、良い順位ではないかおもしれないですけれども、挑戦して色々なことが向上しましたし、挑戦・向上の勝ち点は沼津が1番積んだと思っています。
沼津時代は静岡県東部地域への愛着・想いを持たれていたと思うが、秋田のサッカー文化をどう根付かせていきたいか?
サッカーの目的はゴールですよね、ゴールへ向かっていく原理原則が正しいもの。
まずゴールから逆算したものを複雑なものではなく、シンプルにやっていきたい。1点集中ではないですけれども、まず前に行こうという。ボールを後ろに下げたりだとか、パスの本数などではなくゴールに向かっていく回数、そういう想いを込めて選手たちとやっていくことが大事だと思います。
それを子供たちが観て「僕もやってみたい」という風に良いものを伝え続け、それが伝統となって6年生が10年後、12歳が22歳になったとき。今の中学生・高校生が数年後にブラウブリッツ秋田でプレーしたい、J1クラブからオファーがあっても僕は秋田のために戦う、このサッカーがやりたいんだというものを築き上げていくことが大切だと思います。秋田県のサッカーに関わる皆様のご協力ももちろんいただきたいですし、僕の考えをお話したいなと思っています。複雑なものではなく、スポーツとして1番大事なもの、スポーツを通して頑張る子を育てて秋田県に貢献していく。サッカーでなくてもサッカーを辞めたあと、学校の先生になって頑張る子供たちを育てる。良い企業の社長になって秋田のスポーツに貢献する。サッカーには、人を素晴らしくするものがたくさん含まれていると思います。
現役時代はどのようなプレーヤーだったのか?
東京ヴェルディの前身である読売クラブの下部組織でずっと育ち、トップチームはラモスさんやカズさんなどのプレーを間近で隣のグランドからかじりつくように観ながら、育成時代を過ごしました。そこから日本リーグのNKKに入って、甲府に移籍し、レンタルで熊本のクラブでもプレーし、静岡県のジャトコというクラブでプレーしました。プレースタイルは「頑張る」。それしかないくらい。負けることが大嫌いで、とにかく負けたら悔しいし勝ったら嬉しいという選手でした。選手と共にひたむきに向き合って選手、クラブ、秋田と微力ながら共に歩んでいければと思っています。
現役時代のポジションは?
サイドというよりもセンターバックもしくはボランチ。守備的な頑張り屋という感じです。
今まで育成に携わった選手で印象に残っている選手は?
幼稚園生からトップチームまで指導してきたので本当に全員です。幼稚園生や小学生の指導は手強かったですし、光輝く中高生も素晴らしかったので、誰というのは決めたくないです。
J2クラブライセンスを持つクラブでの挑戦はこれまでの環境とは違うのでは?
昇格という言葉は選手にはあまり伝えないようにすると思いますが、乗り越えるには挑まないと乗り越えられないですよね。挑んでいくことが非常に大事で、ライセンスがあるないに関わらず、全員で挑んで乗り越える。挑んでいくということは、挑んでいく姿勢があってそれを助けることも大事だし、全員でもう1回よじ登るというようなことが大切で、ライセンスあるないに関わらず、どんな状況でも僕は100%の力で挑むのみだと思っています。
新体制での始動はいつから?
1月中旬くらいを予定しています。新たな取り組みにもトライしますので、観に来てください。
サッカー以外で秋田でしてみたいことは?
ないですが、子供たちを観たいです。トップの練習は僕の仕事ですしクラブの仕事。子供たちに囲まれている期間が長かったのでブラウブリッツ秋田に関わる子供たち、秋田でサッカーをしている子供たちと一緒に笑って寄り添ってということを楽しみにしています。