間瀬秀一監督 記者会見コメント

サッカーは90分+ロスタイムで勝負がつきます。
今日の1試合の中では色々な時間帯や色々な出来事がありましたが、しっかりと最終的には自分たちが勝利を収め、2試合連続このホームで秋田の皆さんと喜び合えたことをうれしく思います。

相手はスターティングメンバーの平均年齢が我々より4.5歳若いチームですので、試合の入りから勢いを出してくることはわかっていました。前節も首位のFC琉球相手にその勢いでリードする試合をしていましたので、今節もスタートから思い切ってグルージャ盛岡の選手がその勢いを出したことがありましたし、もう1つは警戒していたサイドからの崩しやミドルシュートから失点をしたということが、ゲームを難しくしてしまいました。
ただ、何度もやられたわけではなく、実際に失点をしたのはあの1本だけですし、話を聞くと誰かに当たってコースが変わり失点となったということで、前半滅茶苦茶自分たちが悪いわけではなかったので、落ち着いてハーフタイムに残り45分で2点を取って勝つと伝えましたし、その通りにしっかりと2点を取って勝利できたので、また色々なものが上がってきた状態で次に向かえると思っています。

質疑応答

2点目で中村・久富・青島と途中出場の選手がつなげてのゴールだった。交代の采配が見事に当たったと言えるが。

今、間違いなく全員が力を発揮して練習ができています。今日の試合に向かうまでの4日間、全員が個々の能力を出し合った練習をできていました。間違いなくそれは今日の後半、交代選手も含めて効いていました。もう1つは、ギャンブルではないですが、ノーリスクハイリターンなサッカーをできたらいいですよね。できたらいいのですが、もしそれが実現するとしたら全員のハイインテリジェンスが必要だと思っていて、こういった話しは前から選手たちにしている中で、自分たちは全員が賢くプレーするための取り組みをしています。交代で入った3人が結果を出し、監督の采配が当たったと普通は見られると思いますが、そういったことではなく、私が言ったことを皆が実行できるということです。そこのインテリジェンスを全員が持っていれば、自分たちが狙ったことをそのまま形にできたり、私自身が指揮官として示したものを全員で形にできるというのが、自分たちの大きな利点だと思います。ですので、交代選手が結果を出し、またこの試合を勝利できたというのは、全員にとって勇気づけられる出来事だったと思います。

前半、グルージャ盛岡がボールを支配する時間帯が多かった。その要因は?

前半、盛岡がボールを持っている時間が長かったかどうかは、僕の印象とは違いますので、はっきりとはわかりません。何をもって盛岡がボールを持っている時間なのか。あまりそういう印象はありません。

ブラウブリッツ秋田の流れになる起点となったことはあったか?

自分は違う考えを持っていて、相手はどちらかというとボールを動かすよりはしっかりと球際に守備ができるメンバーで前からプレスに来ました。そういった中で、だんだん自分たちがそれをかいくぐりボールを動かしたり、もしくは相手は1点リードしたことが関係するのか自陣に少し引いたり。そういった時間帯があった中で、自分たちがぶれずにしっかりボールを動かすサッカーを続けたということが、間違いなくスイッチであって、前半のうちに追いつくことはできませんでしたが、自分たちが敵陣でサッカーをしたことや、ボールを動かし相手が守備をしたということはあとから体力面に現れてきます。相手の集中力や体力を前半のうちに奪うような自分たちのブレないサッカーを続けたということが、間違いなくそれがスイッチになったと思いますし、効いたと思います。

外山について、先制点を取られてからピッチ内を縦横無尽に走り回る様子が見受けられた。評価は?

そこもちょっと僕自身とイメージが違うのですが、相手も分析してくるので、前節、彼がJ3で秋田でデビューをして、スピードがあるだとか1対1でしっかりと蹴れるだとか、そういったことを相手はわかっていましたし、かなり押さえられている印象の方が僕にはありました。
彼自身もJ3リーグのレベルだとか、自分自身が成長しなければならないということは感じたと思います。ただ、そういう自分のプレーが中々できない中でも彼自身が自分のプレーに対してブレなかった。戦う姿勢を示したことで、あのような彼の持ち味ではないところでもゴールというものに繋がったと思います。逆に言うと、あれも彼の持ち味にして欲しいと思っています。

3連勝。だんだん監督の目指すサッカーが根付いてきたと思われるが?

今聞くまで3連勝したということは忘れていました。長野戦の勝利含めたら3連勝ですね。実際は対戦相手があることなので、しっかりと相手を見てその中で自分たちのサッカーを出すということが必要で、長野・藤枝・盛岡と3種3様、全く特徴が違う相手でしたが、そういった相手に対峙しても自分たちがやることはブレずに勝利にもっていけたという意味で、間違いなく自力は付いてきていると思います。
ただ、それはチームとしての力もありますが、私自身は秋田の選手1人1人がJ2で通用するサッカー選手になるような取り組み、成長を求めていますし、その融合でJ2で通用するサッカーをして勝っていく必要があると思います。そこを基準にしたらまだまだ全ての面において足りていませんし、取り組みたいですし、足りていないところ全てが伸び代ですので、皆でまだまだやれば上げられるものがいっぱいあるので、それもしっかりやりたいと思います。

サッカーにタラレバはないが、今日の試合は相手が後半若干衰えた印象を受けた。それがあったからこそのやり続け、ボールを動かすサッカーが体現できたように思う。しかし、J2を目指す上で、そういったことができるチームだった場合は後半難しかったのではないか。リードされた展開でやり返すためには、もっと何が必要だと考えるか?

サッカーだけではなく人生もタラレバはないですが、もしおっしゃるとおり相手が後半落ちたのだとしたら、間違いなく前半の取り組みで落ちたので、それは自分たち意図でもあります。勝手に相手が落ちたのではなく、自分たちが前半ブレずに攻撃を貫いたこと、ボールを動かしたことで相手が落ちたのだとしたら、要因があるのと、もう一つは秋田の選手が最後まで後半攻め続けたりとか足が止まらなかったのだと思いますが、それもやはり偶然ではありません。1週間の準備の中で後半走れる取り組みも私の中では計算してやっているので、それが一つは効いたのが今日の試合です。
もしそうじゃない相手に対してはどうかという質問に対しては、そういったチームはJ2にあります。もっと緻密な守備陣形から前線プレスをかけてそう簡単にボールを動かさせてくれないチームもありますし、J2には前半も後半もあのプレスを続けられるチームもあります。そういう意味では、今自分たちがやっていることの精度をもう1段も2段も上げることが必要だと思います。それだけのプレスをかけ続けられても今やっているサッカーをブレずにボールを動かす能力があるだとか、それを続けられても自分たちの体力が落ちずに得点を取ることができるだとか。私自身が違うことをやろうとは全くと思っていませんので、今やっている方向の精度を上げるということが、自分たちに必要なことだと思います。

初ゴールの選手が2人ずつ現れた。全員力であり、バリエーションだと思う。その当たりについて。

うれしいです。良いことを言っていただいてありがとうございます。
それも今、言っていただくまで忘れていましたが、そういうことを私は大切にしています。今日は記録を見たら9人の選手がシュートを打ったようです。前節も今節も2人の選手が今季初ゴールを上げています。攻撃的なサッカーをするという中で、いつも同じ人間がアシストをしたり、同じ人間しかゴールできないというのは私の中では攻撃的ではないですし、自分たちが目指している、流動的なやっていても見ていても楽しいサッカーではありません。
まさに前節・今節のような色々な人間がシュートを打ち、アシストもでき、ゴールも決められるというのが一番やっていても見ていても喜びが大きいサッカーだと思います。そういった意味で意図通りですし、そういうことが今できていることがうれしいです。