12月13日(火)、秋田県庁 県政記者室において、小野敬輔選手のトップチーム昇格内定についての記者会見を行いました。

ブラウブリッツ秋田 代表取締役社長 岩瀬浩介

この度、ブラウブリッツ秋田U-18所属で、第一学院高等学校に在学しております小野敬輔選手が2017シーズンよりトップチームに昇格することが決定いたしましたので、ここにご報告させていただきます。
ブラウブリッツ秋田アカデミーはクラブ設立2年目となる2011年に発足、小野選手はその1期生として加入しました。U-15所属時は秋田県リーグ3部でスタートしたチームを3年間で県リーグ1部優勝、翌年からの地域リーグ昇格といった成績を残し、また、U-18では県リーグで優勝するという、まさに秋田県ナンバー1チームとなった、その立役者の一人として活躍をしてくれました。
そういった中で、中学生時代には秋田県サッカー協会が選ぶベストイレブンにも選ばれており、またクラブといたしましても、アカデミーとトップチームとの連携をしていく中で、中学3年時には冬のキャンプに帯同をしております。あるいはトレーニングやトレーニングマッチ等への参加という形で、育成を図って参りました。

ブラウブリッツ秋田アカデミーは創設6年目となりますが、1期生がこうしてトップチームに昇格できるほどに育成できたということを私自身もうれしく思っております。また秋田県のサッカー界にとっても地元で育ち、地元のJクラブの下部組織が秋田にはなかったという中で、優秀な人材はどんどん県外に流出してしまっておりましたし、現在もなおそういった事態が起こっております。選手に対して高校サッカーとプロスポーツクラブという選択肢を増やすことができたということ、また秋田で優秀な人材を我々自身の手で育てることができたということは、クラブの育成体制が確立されてきたというふうに言っても過言ではありません。小野選手には地元でプレーできるという喜びと誇りを胸に、地域の皆さんに愛される選手に育ってもらいたいと思います。

小野選手はプレイヤーとしてはポジションはボランチもしくはトップ下、優れたボールコントロールが特徴の選手です。攻撃の起点を作ったりといった、いわゆる司令塔としての活躍を期待しております。見ての通りまだまだ線が細いですので、これから19歳、20歳となっていく中でフィジカル面で成長といった課題は大きいですけれども、本当に止める蹴るといった基本的な動作のサッカーにおける部分で言いますとトップチームの選手と遜色ない形でできておりますので、フィジカル部分をまずは第一の強化として、そしてプロの選手として独り立ちできるような我々もサポートをしていきたいと思っております。

最後になりますが、こうして小野選手がアカデミーで活動をするに当たり、在学をしております第一学院高等学校様の山崎キャンパス長、担任の桑原先生をはじめとする皆様には、様々な面でご配慮をいただきました。この場をお借りして御礼を申し上げます。

第一学院高等学校 秋田キャンパス長 山崎聡様

第一学院高等学校という通信制、単位制の高等学校となります。広域性と言うことで全国に生徒がおりまして、生徒の中にはスポーツや芸術、いろいろなところで活躍している選手がいます。全国に36キャンパスありまして秋田の方は広面にキャンパスを構えており、現在94名の生徒が通っていまして、小野敬輔は本校の総合学科に所属する生徒の一人になります。
本校は教育理念として「1/1(いちぶんのいち)の教育」ということを謳っております。1人1人の生徒と向き合って、1人1人の生徒の幸福を願って、1人1人の生徒を育む。小野敬輔は小学校からサッカーを始めて今、お話があったようにチームの方でサッカーの腕を磨き、また人間性というのを高めていって、今日一つの夢を実現しました。これまで秋田でこういった形で夢を実現した子は初めてなのではないかと思うのですが、こういった形で1人の生徒の、高校生の夢が実現したことを大変喜ばしく思っております。これからも地元の選手として応援していただければというふうに生徒共々思っております。よろしくお願いいたします。

小野敬輔選手

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こんにちは。本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。来シーズントップチームに昇格することになりました、第一学院高等学校3年、小野敬輔です。自分を育ててくれたブラウブリッツ秋田で小さい頃からの夢であったプロサッカー選手という夢をスタートできることがとてもうれしいです。今の自分があるのは家族、監督、スタッフ、友人、チームメイトの支えがあるからです。今までプロサッカー選手に夢を与えてもらっていたので、これからは自分が活躍することでユース、ジュニアユース、プロサッカー選手を目指す人、サポーター、支えていただいた全ての人に夢や勇気を与えていける選手になっていきたいです。昇格できたことに満足せずに、常に上を目指しこれからが勝負だと思うので、結果を出すことで秋田の顔となれるよう頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします。

質疑応答

ブラウブリッツ秋田の下部組織で1期生として入り、ブラウブリッツ秋田のトップチームに昇格というのはいつ頃意識したか?

小:中学校一年生からブラウブリッツ秋田でプレーをしているので、そのときからブラウブリッツ秋田で、地元でプレーするというのを思っていました。

チームでどういうところを生かしたいか?

小:自分のボールコントールだったり、パスの面でチームに貢献できるように頑張っていきたいと思います。

熊林監督からは何か声をかけられたか?

小:昇格するというのが決まったときには声をかけてもらっていないのですけれども、常に練習の時から試合を決定づけることができる選手になって行けと言われ続けていました。

アカデミーで1期生から過ごしてきて、大変だったことと楽しかったことは?

小:ユースチームは他の高校と比べて人数が少ない中で、高校3年生になるときに熊林監督になり、厳しいことの方が多かったのですけれども、少ない人数の中で皆で力を合わせて頑張ってこれたのが一番大きいです。

優秀な選手が県外に出てしまうと言う話しが社長からあったが、地元で活躍する機会ができたことについてどう考えているか?

小:地元出身者として、秋田を盛り上げていけるように頑張っていきたいと思います。

県外に出ると言うことはあまり考えていなかったのか?

小:やはり中学校1年生〜高校生まで、ブラウブリッツ秋田の育成として育ってきたので、トップチームに昇格して貢献したいと思っていました。

岩:補足すると、彼は、我々もアカデミーの全選手と面談をします。U-15で育った子たちが、今の秋田県のサッカー界を取り巻く環境を踏まえてお話しすると、中学3年生までは我々のクラブで育つとやはり技術的にもレベルが高くなるんですよ。そういう子たちが高校サッカーというあこがれの舞台というものがまだ地方だとそこの比重が大きいというのがあります。でも、彼はそれをも全く微動だにせずにU-15を卒業する際にU-18への昇格といいますか、U-18に入ると。U-15の時にもやはり他県、他クラブからの話しがちらほら出ていた中でも、彼はここで、この秋田で自分がプロサッカー選手になるということを強くずっと小さい頃というか、中学校の頃から言っておりましたので、そこら辺が彼の秋田に対する思いの強さがすごくあったのではないかと思います。

社長にとってアカデミーを運営する中で一番強い思いとは?

岩:アカデミーといった部分で6年立ちますけれども、やはり我々クラブの今の組織的な部分の体制部分をお話しすると、トップチームに今は下田と船川2名が秋田出身です。Jリーガーで秋田出身がどれぐらいいるかと言っても加賀健一選手(浦和)、摂津颯登選手(山形)の4名しかいないんですね。J2以上だと2名だと。こういう状況も踏まえて、サッカー界に対してもっともっと秋田県出身選手が出てくれればなと思いもありましたし、もう一つ一番大きいのはこのクラブの大半の選手が秋田出身の選手であれば一番それは地元の方々は応援するのではないかな、と。甲子園の理論と一緒ですよね。甲子園では自分の母校を応援し、自分の母校が負ければ地元の代表校を応援する。そういった地元の選手、地元のクラブといった部分が一番の思いというか、そこで育まれるのは郷土愛や誇りだったりだと思うんですよね。我々は今回は秋田市の仁井田出身の小野敬輔選手が出ましたけれども、たぶん仁井田地区の人たちは、「あ、あの角の小野君ね」と、あまり知らなくてもすると思うんですよ。そういったものが地域のいわばスター選手を育むと言った部分では、地域でいえば誇りを生むといったことなのかなとも思っていますし、それが秋田全体に広がれば色々な地域で自分の地域の選手を応援するという、本当にいい循環になるのではないかなという思いで今アカデミーをやっています。

小野選手が地元に残るということについて、どういうふうに率直に感じているか?

岩:1期生ですから、毎年アカデミーから昇格するかというと全くもって保証できないですから、そこまでしっかりとしたいい選手に育ってくれたという意味でいうと、本当に、純粋にうれしく思っております。

数多くこれまでアカデミーにも選手がいただろうが、その中で小野選手となった理由は?

岩:先ほども話したように、技術と言った止める、蹴る、判断するといったベースに関しては今のトップチームの選手たちと遜色ない形のものを持っておりますので、これからそこをさらに伸ばすこと、また攻撃の起点となれるようにといった部分、まだまだ見ての通り細いですのでそこの部分をしっかり伸ばしていくことによって、秋田が生んだ、秋田の中心選手になってもらいたいなという思いで昇格といったところになりました。

サッカーをいつから始めたのか?

小:小学校1年生の頃から兄の影響でサッカーを始めました。

目標とする選手とその理由は?

小:あこがれる選手は、ブラウブリッツ秋田U-18監督の熊林親吾さんです。小さい頃から身近で見ていて試合の中での圧倒的な存在感がすごいと思っています。

「秋田の顔になりたい」と話していたが、具体的な目標はあるか?

小:熊林監督のようにJ2、J1で活躍して、長くJ1、J2で活躍できるように、秋田といえば小野敬輔だと言ってもらえるように頑張っていきたいです。

今の時点ではスタジアムの部分など難しい問題がありすぐにJ2、J1とはいけないが?

小:できればすぐにJ2、J1でプレーしたいですけれども、秋田の現状だったりというのがあるので、今はJ3で頑張って将来的にJ2、J1で活躍できる選手になっていきたいです。

それはやはり秋田でということが大前提か?

小:やはり秋田でブラウブリッツ秋田と共にJ2、J1で自分も大きくなってプレーしたいです。

今後さらに優秀な選手を育てるために取り組みや決意があれば。

岩:まず大前提、子どもたちが夢を描ける舞台というものを作るということが一番特効薬になるのではないかと。それがなんだと言うことになりますと、トップチームがJ2、J1で活躍するプロクラブになること、それがやはり子どもたちにとっては一番の技術向上であったりに結びつくかなというふうに思っておりますので、大前提そこですね。
あとは育成の環境を整えるといった部分では、今は潟上市の秋田県フットボールセンターが中心的な拠点となっております。ただ、我々のユースの子どもたちは秋田市外からもたくさんの子たちが集まってきていて、平日4日・5日と練習に来ていますので、練習開始の時間が遅れたりすることも多々あります。では、本当にプロ選手を育てる環境に今あるかというとまだまだそこは足りないです。例えば、敬輔が家に帰ってご飯を食べるのは?(小:22時)22時なんですよ。練習が終わってすぐにご飯を食べられる環境ですとか、そういった部分も含めてもっともっとプロの輩出人数をできるような、いわば育成環境を整備すると言うことがまず一つ我々の課題かなと思っております。

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