いつもブラウブリッツ秋田を応援いただきありがとうございます。
4月23日(水)、岩瀬浩介代表取締役社長が、沼谷純 秋田市長を表敬訪問しました。
沼谷市長は先日の秋田市長選挙を受けて就任されたばかりということでこの日はご挨拶も兼ねつつ、新スタジアムの整備に関しての意見交換をさせていただきました。
沼谷市長のご意向で、この日はメディアの皆さまにも全て公開させていただく形で、お話しをさせていただきました。
議事録
※公開にあたり、文脈はそのままに、口語を文語に修正するなど、読みやすさを考慮し一部修正をさせてたいただきました。
沼谷市長
ブラウブリッツ秋田さんも新シーズンが始まって、ご奮闘いただいているところですけれども、大変な時もあるかもしれませんが、頑張っていただいて。サポーターとしても応援しています。
岩瀬社長
ありがとうございます。ご存じかと思いますが、昨シーズン、クラブは過去最高順位の10位、過去最高の平均観客数4,128名というような形で、市民、県民の皆様の熱量が年々上がってきていることを肌で感じておりますし、来場者の方々の6割が秋田市民の皆様というデータも出ております。
また、Jリーグの効果といった部分においては、県議時代にもお話しさせていただいたとおり、データが取れているだけでも昨年県外から9,770名の方々に来ていただきました。
我々もX(旧Twitter)の調査など独自に行っていますが、全県にわたり、観光を楽しんで、そして飲食、お土産、そういった商店の皆様や宿泊業界の皆様からも非常に大変嬉しいお言葉を聞けておりますので、クラブとしては、昨年初めて新型コロナウィルス感染症の入場・応援の制限が解除した中で1年過ごせました。
私たちがJリーグ、いわゆるJ2以上のカテゴリーにいるときの地域経済に与える効果というのは非常に大きいということを、確信をもてた1年でもあるかなという風に思っております。
今シーズンは開幕2連勝と好スタートをきれましたが、今現在16位というような形でございます。ただ、勝ち点12の中に8チームと団子状態です。
ホーム開幕戦、3月15日は気温6度。ご存じの通り、屋根のない寒々としたスタジアムではあったものの、昇格以降、過去最高である7,795名の皆さまに来ていただいたということは、非常に我々にとってもポジティブな数字かなと思っています。
明後日は千葉戦が行われますので、勝ち点を獲得して県民市民の皆様に勇気と希望や感動を与えられればと思っております。
沼谷市長
本当にぜひ、引き続き頑張っていただきたいと思います。
その上で、私自身が今まで県議会議員という立場で見てきたスタジアム整備の議論、これから市長という立場でやっていきたいということ、それを少しきちんとお伝えをするべきだと思っていましたので、今日はいい機会だとも思っています。
私自身としては、これまで様々なスタジアム整備を巡る議論、時間と紆余曲折をしてきたというのは、これは市民の皆さんだけではなくて、ブラウブリッツ秋田の皆さん、サポーター、スポンサーの皆さんにとっても非常に不幸な、とは言いませんけれども、そういった時間だったのではないかと思っています。
どうやってやるか、誰がコストを負担するかということもそうですけれども、後戻りや、やっぱりこっちだとか、あっちだとか、進んでみたけれど行き止まりで難しくなっちゃったね、ということはもう時間的にも許されないと思いますし、市民の皆さんにとっても、ブラウブリッツ秋田の皆さんにとっても、サポーターの皆さんにとっても、そういう時間はないと思っています。
そういう意味では、きっちりと、しっかりと結論を迷いなく、間違いなく出していくということが、私に課せられた、市民の皆様からいただいているご負担の重さだと思っています。
ちょうど1年前の段階では、まだ外旭川にいわゆる民設民営を基本としてというのが議論の中心で、まちづくり計画という中に新スタジアム構想が入っていました。そして、年が明けてから場所は八橋にという話になって、3者(県・市、ブラウブリッツ秋田)の中で、3月になって秋田市が整備主体となって、という時系かと認識しています。
私が一番気になっていたのは、外旭川で、民設民営でといったものから、180度、前の市長のもとで変わろうと、変わりつつあった。それはそれとして、八橋でということでいいと思いますけども、そうなってくると、状況も、条件も、場所も、主体も変わるということになります。
そういった中で、私としては市民の皆さんから税金をお預かりしている立場として、前の市長さんからバトンを受け取った後、自分がなすべきことということを考えていった時に、新設一択で、いくらかかるかまだわからないという状況、整備費用もわからないまま、新設一択で進んでいきますというのは、先ほど私が申し上げたように、その先で行き止まりになる可能性もなくはないと思っています。例えばコストが高すぎて、とか。
現在、卸売市場も、当初110億円だったものが200億円でも事実上建て替えが難しいという議論になってきています。そういうことがあってはならないという意味も含めて、今ASPスタジアムという秋田市が所有するスタジアムがありますので、新設ということを消すという意味ではありませんけれども、既存のASPスタジアムの改修ということも検討の1つの選択肢として考えさせていただきたいということで、市民の皆さんにも訴えてきました。
すでに先週初登庁の際にも、担当部局の方には技術的な可能性、あるいはコストなどできる限り庁内で検討を進めるようにという指示もしてあります。そこはぜひご理解をいただいて、Jリーグ側との話の経緯ももちろん承知していますけれども、いろんな状況が変わった現状において、そのまま引き継いでいくというだけではなく、改修案の検討という新しい要素も1つ加味をしながら、この3者協議にいろんな材料をお出ししていきたいと思っています。
岩瀬社長
ありがとうございます。市長のお考えは選挙期間中、そして当選後もメディアの皆さんを通じて私も認識をしておりましたし、こうして公の場で丁寧な形でご説明をいただき、本当にありがとうございます。
クラブとしましては、現状を申しますと、6月末のライセンスに向けての申請といった部分において、先ほど市長からございました通り、紆余曲折あった中、いわゆる新スタジアムといったものを整備することを前提に、これまでライセンスを取得、特例で取得をできていました。
それが、外旭川になって整備の計画そのものが当初よりもかなり遅れてしまう。その中で、こちらの八橋であればということで方向性が変わったわけですけども、昨年の8月末に、クラブライセンスの判定機関FIBというところから異例の呼び出しを受けて、事情説明、ヒアリングを行った次第でございます。本当にその内容たるものや、非常に厳しいお言葉をいただき、これで本当にライセンスが取得できるかなと不安の中を過ごしていたわけですけども、なんとか取得できた部分はございますので、今いただいたお話は我々がそれを良い、悪いといった判断できないのも事実でございますし、ライセンス機関が市長のお話をどう受け止め、どう捉えるかといったものは、今後我々がJリーグやライセンス機関に対してもしっかりとご説明をしていかなければいけないと思っています。
私たちとしてはこれまでの期間といったものを、正直ネガティブには捉えたくないので、然るべき期間(クラブの成長の期間)だったかなと思っております。クラブの成長などといった部分において、あってもよかった期間なのかなと、前向きには捉えさせていただいているので、ここからは市長、そして新知事にも、スタジアムの整備に関して非常に前向きなお言葉をいただいておりますので、しっかりと手を携えて一緒になって、県・市発展に向けて、スタジアム整備が発展に繋がるんだということを、取り組んでいけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
沼谷市長
今ちょうどライセンスのお話をいただいたので。当然、ご懸念されるライセンスの部分は大事ですし、ブラウブリッツ秋田がJ1を目指してやっていくという時に、このライセンスというのが1番重要な鍵になるということも承知しています。
私としては、これまでJリーグさんにお示しをしてきたスタジアム整備のスケジュールですとか、そこに向かっていろんな段取りがありますけども、これ自体を止めるということを考えているわけではなく、むしろ昨年度までの新設の場合のコストも分からないという状況から、1歩進んで、じゃあいくらかかるんだっていうところまで今出そうということですので。
止まっているというよりは、むしろ新設のパターンについてもしっかり深掘りを検討するということが1つあります。
その上で並行して、改修というものの技術的な可否、新設よりも早く安くできるんだ、Jリーグとしての基準も満たしていくのは当然ですけども、基準を満たしながら新設よりも早く安くできるんだということになった時には、これは最優先として、この既存のスタジアムの改修ということが最優先に出てくるだろうと思っています。
逆にこの既存のスタジアムの改修ということが技術的にやはり不可能である、あるいはできるけれども高い、できるけども遅い、となってきた時には、今度はやはり新設で行くということになってくるでしょう。
両方の可能性が今ここにあるという意味で、その新設のコストも出しながら、既存施設の改修の可否、コストも出しながら、規模感というものも1万人というところからスタートするのか、5千人からするのか、拡張の可能性なのか、いろんなことがあり得るわけですけども、そういったものをきちっと市民の皆さんにお示しをして、市民の皆さんの代表である市議会の皆さんにもお示しをして、その中から合理性、納得性、客観性を得ていくという必要な時間ということは持たせていただく。ただ、その全体のスケジュール感を遅らせながら、だらだらやっていきましょうということではありません。
既存の改修案が無理となった時でも、そのスケジュールが遅れる、あるいは新設というのに手がかからないってことではなくて、これは検討しながらも、新設ということについてもコストも含めて検討していく。これは両方並行して、やっていくということで、遅れはないと思っています。
5月早々には私がJリーグに伺って、いろんなご懸念もあるかもしれませんけれども、私としては、そういう意味では、いろんなものが並行して複数案が出るということの1つのプロセスですので、そこをきちんとJリーグ側にもお話をしたいと思いますし、まだ日程調整中ですけれども、鈴木知事とも月内にはオフィシャルでお会いできるような調整をしています。
そういうことを、今日、岩瀬さんとお会いして、できれば月内には鈴木知事とお会いして、それらを踏まえてJリーグさんの方にもお伺いをしたいと思っています。
その中で、私としても説明をしっかりとする、ということです。市長としての考え、あるいは市民の皆様からのご負担いただいた部分ということもしっかりとご説明をして、理解を得て、まずはライセンスという部分には影響がないように、私も協力してやってまいりたいと思います。
岩瀬社長
ありがとうございます。
ぜひ、1点だけ加味していただきたいのは、これまでの議論も含めて、コストばかりに目がいきがちではありますが、例えばこのキャパであればどのような効果があるのかといった部分、それは街であったり経済であったり、そしてなかなか目には見えない市民の皆様に対してといった部分も含めてご検討、調査をいただければなという風に思います。
沼谷市長
はい。そこは今までなかなかできてこなかった部分だと思っています。
まさにプロスポーツが生み出すその経済の力、あるいは経済効果、そういうものはしっかりと市民の皆様にもお示しをしたいと思いますし、またご理解もいただきたいと思っています。
この後、市としても、専門家の知見を必要とする部分があるかもしれませんけれども、しっかりとやっていきたいということと、合わせて今、新設、改修ということも考えていきたいと同時に走らせていきたいというお話もしましたけど、もう1つ、今私として考えなければいけないのは、これはブラウブリッツ秋田、サッカーということはちょっと少し離れますけども、実は今、秋田市の財政が非常に今厳しい状態になっているということです。
今、財政いわゆる秋田市の貯金が1桁数億円、あるいは戻っても10数億とか、その程度になってきています。
16年前、前市長の就任時から100億円以上減ってしまったという状況です。
私も市長になってある種、漠然とした部分もありますが、私ども市民の皆様の暮らし、命、市民生活をお預かりするという、また県とは違うミッションも持っている自治体でもありますので、新設・改修ということを合わせて検討しながら、秋田市としてのある種の財政的なアッパーといいますか、そこはそこでしっかりと出していかなければ、これもまた市民の皆様に対する説明責任だと思っています。
その上で、どのぐらいのアップになるのかわかりませんけども、以前、90億という数字で新設しましょう、県30億円、市30億円、クラブ30億円、これは非常にざっくりとした話になるわけですけども、今度は、例えばいろんなパターンをやっていた時に、どういうコストなのかわかりませんけど、それとまた、秋田市がどこまで負担できるかっていうことは、やはりまた財政的な規律性という意味では、考えなければなりませんので、ぜひ先ほどの経済効果あるいは新設・改修の可能性、技術的なもの、コスト、秋田市としての財政のある種のアッパー、など、いろんなことをテーブルの上に出しながら、オープンに、市民の皆さんにも市議会の皆さんにも、あるいはサポーター、スポーツクラブの皆様にもお示しをしていくということが、最終的には不足していたんではないかなと思いますので、いろんな選択肢を出しながら、こういう場合であればこう、こういう場合であればこうなります、そういうものをしっかりと出しながら着地していくことが、逆に間違いのない着地になると僕は思っています。
岩瀬社長
はい。よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
沼谷市長
あと、最後に、その既存のスタジアムの改修という意味で、1つ補足としては、ずっとできないでしょうという風に言われてきました。
ただ、私は、今回、その既存のスタジアムの改修というところをぜひ検討させてくださいということをお話ししてきたのは、10数年前の県がやった調査で、今のASPスタジアムの改修は難しいという1つのレポートが出ました。
でも、県というのは別の地方自治体。
市は独立した自治体。そうすると、自分たちの所有するスタジアムの改修の可能性の可否について別の自治体から調べていただいた10数年前の結論を持って、もう無理ですというのは、自分の自治体のトップとしては市民の皆さんに説明責任果たせないと思ってきました。
ですので、今回、そういう意味も含めて秋田市の責任において調査、検証、検討させていただきたいと思っています。それと、今までの流れは流れとして、そこは新設ということは深掘りをしてコストを出していくと。
これは両方やります。ご心配ないように。
岩瀬社長
Jリーグのルールに基づいてといった部分で、例えば西陽の関係だとか、色々あるとは思います。
その辺も鑑みて。ぜひ検討いただければなと思います。
沼谷市長
わかりました。
岩瀬社長
ぜひこれからも、色々とよろしくお願いします。
沼谷市長
私からしたらこれはスタート、キックオフですから。
よろしくお願いします。