いつもブラウブリッツ秋田を応援いただき、ありがとうございます。
この度、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を活用し、潟上市・一般社団法人秋田県サッカー協会・ブラウブリッツ秋田の3者で2022年5月より行っていた練習場及びクラブハウスの整備事業が、2025年3月をもって終了しました。
それに伴い、4月11日(金)、ブラウブリッツ秋田クラブハウスにて、報告を兼ねた記者会見を行いましたので、お知らせいたします。
岩瀬浩介 代表取締役社長
潟上市のご協力を得て、一般社団法人秋田県サッカー協会と連携し、2022年5月からスタートした整備事業について、予定していた整備費を無事集めることができました。まずは、寄付をいただきました多くの企業の皆様に心から感謝を申し上げます。
本事業は、2020年度に大幅に制度が見直された企業版ふるさと納税を活用した事業となっています。
振り返ると、これまでの道のりは決して簡単なものではありませんでした。上を目指すクラブとしてチーム強化を図る上で環境整備は必須で、現在の整備地に至るまで候補地として交渉を重ねた数は20を超えていました。そうした中、秋田グリーンサムの杜を運営するむつみ造園土木株式会社様から秋田グリーンサムの杜内に整備する芝生広場を活用しないか?とお声がけをいただき、拡張の可能性を伺ったところクラブの活動の趣旨等にご賛同をいただきスタートしたのが一番最初のきっかけでした。
この場をお借りし、むつみ造園土木株式会社様に感謝を申し上げます。
そして、当時、本制度での事業の実施事例が少ない中、また事業費は他にはない大事業になるにもかかわらず、そのご決断を迅速にいただいた潟上市鈴木市長をはじめ、職員の皆様にも心から感謝を申し上げます。
林を切り開き、苗をまき、芝を育て、2023年6月にピッチが、2024年9月にはクラブハウスが供用開始となりました。選手たちが怪我を恐れることなく思い切ってプレーし、更には時間を気にせず自主練に励む姿や、子どものようにシャワールームで楽しむ姿を見た時には本当に感慨深いものがありました。
ピッチに取り入れた芝の品種であるタホマ31は、東北では初導入となります。非常に繁殖力が旺盛のため、ピッチが1面であっても毎日のトレーニングに十分に耐えられる強さを持っています。これは、スタジアム整備の際にも活用ができるものと思っており、いわゆる懸念される利用頻度を上げることが出来るものだと実感しています。
トレーニングジムができたことで、練習前にも朝早くからトレーニングに励む選手が増えました。クラブの特徴でもあるフィジカルの強さのベースを作ることができ、データでもチャレンジ強度はリーグでも高水準で、空中戦の勝率はJ2リーグで首位になっています。メディカルルームが整備されたことにより、迅速かつ適切なケアを行えるようになり長期離脱の怪我が減り、かつトレーナーの負担軽減にもつながっています。
食堂には、公認スポーツ栄養士がメニューを考え、自ら調理をすることで、選手のパフォーマンスの向上や怪我の軽減にも繋がっており、トレーニング後のコミュニケーションの場としても活用できています。
クラブハウスは、地域に開けたクラブハウスとして多くの方々にご利用をいただいております。食堂は一般の方も利用可能な子ども食堂として運営しており、トレーニングジムについては一般の方々も利用可能なジムとしても運営をしています。現在、この地域で60名の方が会員となり、健康促進の場としてご利用いただいています。チームのミーティングルームは貸会議室にもなっており、2月4日には株式会社かんきょう様と連携し潟上市との災害協定を三者で結ぶこともできました。災害時の避難所として最大110名の避難が可能な施設として準備を行って参ります。
食堂に関しては、クラブの管理栄養士が栄養面の管理を行っておりますし、また、夕方からは子ども食堂としての運営も行っており、9月の開設から3月までの半年間で47回830名の方にご利用をいただきました。加えて、にかほ市で予約制のフレンチレストランを営む「Remede nikaho」の渡邊健一シェフ(潟上市出身)が、このクラブハウスにて子ども食堂を行っていただきます。潟上出身で何か地元に貢献したいという思いを、ここで実現いただく形になります。さらには、潟上市の起業支援のチャレンジ枠を活用し、空いている土日を活用しカフェや飲食店を目指す方に安価にご利用いただき、起業に向けた実践をここで積んでもらえるような取り組みも行って参ります。
本事業にあたり寄付をいただいた企業はのべ96社(県内69社/県外27社)、3年間で4億6,835万円となりました。
また、個人の方々を中心にクラウドファンディングで713名・社、3,716万円のご支援もいただきました。企画運営を共に進めていただきご尽力をいただきましたNPO法人ハミングバード様にも併せて感謝を申し上げます。
今回、これほどまでの金額を潟上市をはじめ、秋田県サッカー協会とともに多くの皆さまのご協力のもと集めることができたのは大きな実績だと思います。この実績をスタジアム整備においても、同様のスキームを導入するにあたり一つの根拠として示せるかと思っており、制度の導入を秋田市または秋田県に対して調整をして参りたいと思っています。
加えて、様々な形で整備資金に充当できる活動に取り組むべく、本年6月初旬頃には全県で募金箱の設置を行うべく取り組んでおります。こちらに関しては秋田商工会議所をはじめとした経済5団体にも既に打診しご協力いただける旨のお話をいただいております。クラブとしては、スタジアム整備の場所が決まり、公設に変更になってもできる限りの努力をし、多くの皆さまを巻き込みながら整備に向けたムーブメントを作っていきたいと考えています。
企業版ふるさと納税の正式名称は地方創生応援税制です。人口減少など様々な社会課題を抱える秋田県ではありますが、この制度を通じて、本事業で多くの方々の秋田に対する思い、ブラウブリッツ秋田を通した秋田に対する願いや期待、私たちは、それを託されていることを強く感じた次第です。
ブラウブリッツ秋田はこれからも「スポーツを通じた街づくり・人づくり・夢づくり」を、誠心誠意、秋田のために取り組んで参りたいと思っております。