いつもブラウブリッツ秋田を応援いただきありがとうございます。
6月30日(金)、ソユースタジアムにて、2024シーズンJ1クラブライセンス申請にあたり、記者会見を行いました。

岩瀨浩介 代表取締役社長

ブラウブリッツ秋田は昨年同様に来期のJ1クラブライセンス取得に向けた申請を行いましたが、結論から申し上げると来シーズンのJ1およびJ2ライセンスについては、不交付の可能性もあるということをご説明いたします。

4月13日にJリーグクラブライセンス事務局の方々が、本件について秋田県と秋田市を訪問、更に5月26日、Jリーグよりクラブ宛に「新スタジアム整備に関する状況確認の件」と題した文書が届きました。
2019年のJ2クラブライセンス申請において「新設及び大規模改修を行うスタジアムについては、屋根は全ての観客席を覆うこと」とされていることに基づき、八橋運動公園陸上競技場(現:ソユースタジアム)は全ての観客席を覆う屋根を整備する必要がありました。
しかし、秋田県・秋田市より新スタジアムの整備実現に向けて取り組む意向が示されたことから、二重投資を避けるという趣旨で未充足ながらもスタジアム基準を充足しているという扱いにてJ2ライセンスが付与されました。
ただ、その後5年が経過している中で、新スタジアムに関する基本計画すら策定がされていないということで、これまでの経緯や現状を踏まえ、J1及びJ2クラブライセンスについて不交付とされる可能性がある、との文言が、Jリーグからの文書に書かれております。
また、その上で現状並びにホームタウン自治体の意向を確認したいとの記載があったことから、新スタジアム整備に向けた秋田県並びに秋田市より「意向表明書」をご提出いただくこととなりました。

これまでの経緯をご説明いたします。
ブラウブリッツ秋田は発足当初からスポーツを通じた地域活性化の起爆剤として実績のある、Jリーグ入りを目指し、それに必要なスタジアム整備を求めてきました。
2012年には県で初めて「魅力あるスタジアム整備調査事業」が行われ、2016年9月には当クラブの後援会が発足しそのシーズンにはクラブ最高順位の4位の成績を残しました。

その後、後援会が主体となって2016年末からスタジアム整備を求める署名活動を行い、述べ179,412筆の署名数が集まりました。これは、Jリーグ内でもサンフレッチェ広島やガンバ大阪に次ぐ3番目の記録で、J3クラブにもかかわらずここまでの数が集められたのは異例の署名数ともいえます。その署名を2017年3月11日に当時の知事と市長でもある現秋田県佐竹敬久知事と秋田市穂積志市長に提出いたしました。

その年の2017年7月には、県が主体となり「スタジアムあり方検討委員会」が設置。また、11月にはブラウブリッツ秋田がJ3リーグで初優勝を遂げたものの、J2ライセンスの規定を満たすスタジアムが県内にはなかったため昇格ができませんでした。優勝したのにもかかわらず昇格できなかったことは、Jリーグ史上初めての出来事となりました。

翌2018年には、県と市で「新スタジアム整備構想策定協議会」が設置されましたが、候補地となった秋田大学・秋田市八橋運動公園・秋田プライウッドの候補地ではどこにも決定に至りませんでした。また、7月から県が補助する形で、市が八橋運動公園陸上競技場の照明塔や大型映像装置などを整備し、その整備完了を見越して9月、ブラウブリッツ秋田は、翌年2019シーズンのJ2ライセンスを初めて取得しました。

また、クラブとしてはスポーツ庁委託事業を受託し、2018年には、官民連携による新スタジアム構想策定協議会を開催し、「スポーツ立県あきた」の象徴的拠点として「スポーツの産業化・スポーツ環境の整備を核とした街づくり」の整備を実現するための構想・事業計画の策定を行い報告書を提出しました。
翌2019年にも、スタジアム整備への民間参入意欲調査や利用者のニーズ、整備費用に活用できる補助金の調査、整備手法等について調査・研究しスポーツ庁に提出しております。

今回Jリーグから指摘されているのは、Jリーグからの文書を抜粋させていただくと、J2クラブライセンス付与後「5年が経過している現時点においても、新スタジアム整備に関する基本計画すら策定されておらず、実現が不透明であると言わざるを得ない状況です。2018年度の特例措置の妥当性にも疑義が生じており、遡って過去のクラブライセンスを取り消すことはないものの、今後のクラブライセンス判定においては、これまでの経緯および現状を踏まえて、J1およびJ2クラブライセンスについては不交付と判断される可能性があります」ということで、自治体の意向表明書を求められた次第です。

それを受けて、秋田市と秋田県より6月28日に意向表明書をお届けいただいております。
県と市ともにこの危機的状況を打破するべく、実現に向けたお心強い言葉の数々をいただいておりますことを感謝いたします。

本意向表明書において、秋田市からは経費面でも支援を行いたい旨、また令和8年度には工事着手できるよう取り組むとの表明をいただきました。
また、秋田県からは秋田市と共に早期の実現に向け積極的に取り組むこと、また民間主導で整備されるスタジアムであっても経費面での支援を行う考えを表明いただきました。

一方、Jリーグでは「競技の公平性」を向上させ、「基準充足」のためだけではなく最適な整備計画を検討でき、「理想のスタジアム」の整備が促進されるよう2つの例外規定が2019年に制定されました。
競技の公平性とは、まさしく2017シーズンに優勝しても昇格できなかった秋田のようなことがないようにと緩和されたルールと捉えてもらってよいと思います。
ブラウブリッツ秋田のJ2クラブライセンスは2018年提出の翌年2019シーズンからの適用となっているため、上記例外規定ではない形でのライセンス交付とはなっておりますが、これにより本来であれば他のクラブ同様、より最適な整備計画に基づきスタジアム整備を進めるよう求められる可能性もあったかと存じます。

FIBにより、どのような判断がされるかは定かではありませんが、交付されたとしても、例えば今話した例外適用申請に合わせたスケジュールで実施することなど、何かしらの条件が付くのではないかと思います。

それを考慮しますと、予定では新スタジアムの着工が2026年になっていますが、できる限り1年でも半年でも早められるよう、クラブとして県・市と協議しながら、スピード感をもって進めていきたいと思っている所存です。
そのスピード感といった部分においては、幸い民設民営で進める方針になっており、ましてや県も市も表明書に記載していただいている通り、費用面での一定の負担はしていただけるとのことや、場所は既に外旭川地区という形で決まっているので、規模さえ固まればスキームには落とし込みやすいと捉えています。
半年でも一年でも早く着工できるよう県と市と連携しながらスピード感をもって進めていきたいと思っておりますし、ひいてはそれが秋田のためになると確信をしております。

株主、スポンサー、ファン・サポーター並びにブラウブリッツ秋田に関わる皆様におかれましては、より機運醸成のためにも、まずはスタジアムに足をお運びいただき、ぜひブラウブリッツ秋田を応援いただきますよう、お願いいたします。