柔軟性とは状況判断に優れているということである。

今回の見所は「90分間をどう戦い抜くのか」ということだった。それはなぜか?
我々のここまでの戦いは引き分けが5試合。それに対し、ソニー仙台FCはここまで引き分けが10試合。失点が少なく、負けの少ない相手にどうスタイルを持ち、崩しに掛かるか。クラブにとっても重要な日になるのは間違いなかった。

ゲームが始まり、お互いボールを支配するためボールの奪い合いになり、ゲーム展開が落ち着かない。ソニー仙台FCは前回対戦したときよりも前線からの圧力を強めることもなく、アグレッシブにはボールを奪いには来なかったように感じた。

前半10分、江崎のヘディングで先制する。

良い時間帯にゴールが生まれたことでチームにゆとりが出てくる。
「リラックスする」ということはとても大事なことだが、チームにとって「ゆとり」ほど怖いものもない。

前半で相手は1人退場者を出した。そのゲーム展開で我々はもう2、3点は取れたはずだった。そこに我々は気付かなくてはならない。このような展開では絶対にゆとりを持ってはいけない。後半に何かが起きてもおかしくない。

しかし、後半、3点を追加し、4-0で快勝。

チーム始動から半年が過ぎて選手、スタッフも日々良い関係を築けている。私が何を言いたいかというと「チームは生き物」であるということだ。

監督だけでは何もならない。選手だけでも何もならない。

監督含めスタッフ、選手全員がひとつとなって目に見えない物を作り出す。

それが「一体感」だ。

今節は勝ち点もそうだが、JFLで素晴らしい実績のあるソニー仙台FCを相手に「チームとして」強いまとまりをみせてくれたこと。

それがとても大きなクラブの財産になる。

また、1歩前進した。

秋田県の代表として誇りを持ち、最後まで素晴らしいゲームを意識し続ける。

今週は天皇杯の秋田県決勝がある。1人でも多くの県民が足を運んでもらえるよう、よろしくお願いします。

新里 裕之 ゼネラルマネージャー

2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。

1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。