物事には表裏がある。
攻撃的に出ればリスクはある。一方で消極的になれば得るものは半減する。
藤枝MYFCは個人技のクオリティが高く、力のあるチームだ。
チーム全体でハイプレスをかけ、前線の選手はモビリティを使い、ボールを奪ってからカウンターという攻撃スタイルを常に狙ってきた。これまでの我々の戦い方を分析し、よりストレスを与えてきた中で1人1人がとても高い意識を持ち続け、エネルギーを出していた。
我々はスタイルをしっかりと持ち、大きな自信と誇りを持って戦う。
前半から我々は積極的に攻撃に出ながらリズムを作る。
今回、スターティングメンバーが代わり、前節とは異なるメンバー。より経験を積める良いチャンスだった。
立ち上がりから自分たちがゲームを支配し、フィニッシュまでの道のりはスムーズで良かった。しかし、パスミスが多く、相手に前向きで取られるシーンが多く見られ、自分たちで自分たちのリズムを崩し、相手にペースを与えていた。
それはなぜか。ボールを動かすというプレーの中で次の予測を持ちながらボールをキープする。それが出来ているのならばボールを奪われても瞬時なトランジション(およそ1~3秒)でプレスをかけ、瞬時に守備に入ることが出来る。しかし、ボールを奪われた瞬間、そのような対応がチーム全体で把握できてなかったことでカウンターを受け、失点に繋がってしまった。加えて相手に多くのチャンスシーンを作られる要因となってしまった。
では、我々は相手に良い状態でボールを奪われないように攻撃し、出来るだけミスを少なくするにはどうしたらいいのだろうか?
答えはシンプルだ。
今回のゲームを含め、全てのゲームでトライしてることをやり続けること。忍耐強く、冷静に、継続させる。失敗してもやり続け、自分たちのスタイルを貫き通す。これがブラウブリッツ秋田の成功させる方法だ。
勝つときもあれば負けるときもある。
ただ、そこには「どう勝つか」、「どう負けるか」という全てにおいて意味のある結果が必要だ。
藤枝MYFC戦は負けてしまったゲームではあるが、私は6失点をくらってもチームに関わる監督はじめスタッフそして、選手たちに誇りを感じる。本当に感謝している。
完成まで最も時間を要するチームプランを選び、それをピッチで表現することは簡単ではない。
選手たちは身体的にも精神的にもレベルアップしている。
常に見守ってくれていて共に戦ってくれるサポーターやファンのみなさんにも感謝を伝えたい。
これからも色々なことがありますが冷静に共感し、共に戦いましょう。
よろしくお願いいたします。
新里 裕之 ゼネラルマネージャー
2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。
1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。