JFL第13節を終えて、各チームは我々を分析したうえで戦いに挑んでくる。
すべてのチームがハイプレスをかけ、我々の時間やゆとりを消しにくる。もちろん、熊林にボールを持たせないこと、新里にストレスを与えること、センターバックの江崎、初田にリラックスさせないことなど、各チームそれぞれに対策を考え、戦う中で我々は忍耐強くスタイルを磨き上げ続けている。
今節も相手は同じくハイプレスをかけ、ボールを奪ってはショートカウンターをイメージしてきた。
立ち上がりから我々は主導権を持ち、スペースをつくり、連動しながらリズムをつくり続けた。
しかし、相手はJFLリーグでも安定感のあるチームである。崩されかけても全員で切り換えを素早くし、さらにはバランスを保つチームスタイル。これは長年の経験値があるからだと思う。
48分、前山のミドルシュートが決まる。
バイタルエリアにスペースが生まれ、その位置からのフィニッシュとなった。しかし、このスペースは簡単に空く場所ではない。
では、なぜそのスペースが空いたのか?
それは、ミドルサードからアタッキングサードへ進入するための材料が揃っていたからだ。
ボールを保持している選手、ボールを受けるためのサポートの選手、そして素早い判断で相手がナーバスになるスペースを見つけたオフの選手と、全ての選手がタイミングよく関わったことがバイタルスペースでボールを受け、ゴールを産んだ素晴らしい瞬間につながった。
しかし、相手はクォリティの高い選手たちが多く在籍している集団として、「チーム」としての能力を発揮してきた。
67分、71分と立て続けにスーパーゴールを演出。
やはり、レベルの高いそして自信を持った両チームの戦いには必ず目に焼き付けるパフォーマンスが出てくる。
ゲームは2-1で勝ち点を獲得できなかったが、色々なチームが我々を警戒し、質の高いゲームをしてくるということ自体、我々ブラウブリッツ秋田にとっては最高の財産になる。
このような戦いを我々は望んでいる。
今週、土曜日も秋田一つになり共に戦いましょう。
新里 裕之 ゼネラルマネージャー
2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。
1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。