「得るものだらけの1-4」
敗戦というのは気持ちの良いものではない。
しかし、敗戦にはチームへ変化や改善を促すための大きな力がある。
ブラウブリッツ秋田の関係者だけでなく、秋田県を愛してやまないファン、サポーターならばそう思うだろう。
5月19日(日) 13:00、秋田市八橋運動公園球技場。
気温は26.6℃。風は無し。ピッチコンディションは全面良芝。いつもと変わらない時間、空間、スタジアム。その中で、ただひとつだけいつもと異なることがあった。
それは4,889人の観客──。
キックオフし、我々ブラウブリッツ秋田はボールを保持し相手陣内に入り込んでいく。相手はお互いの距離感を大事にし、ギャップをとられないようにバランスを考え、カウンターを狙っていた。それでも我々は自分たちの戦いかたを意識し、攻撃的にフィニッシュまでイメージした。
前半10分、熊林のコーナーキックから初田のヘディングが決まり先制ゴール。
しかし、10分後にカウンターからの失点。49分にはフリーキックで逆転され、78分、84分に追加点を奪われた。
そして、時間も90分を回り試合終了。
シンプルにこの試合を考察すると自分たちの状況から失点に繋がったと言える。先制した後に時間をどのように使い、どのように落ち着かせるのか。ストレスを感じた際、そのストレスを消すためにピッチ内で瞬時に対応出来る選手が何人いたのか。修正を行うならば、このようにピッチ内での対応力に課題を持つことだろう。
相手の状態も良く、我々の状態も良い中で崩されての敗戦ならば大きな手術が必要だ。しかし、今回の敗戦をそう捉えるのは難しい。それは何故か。我々は意図を持ってスタイルを追求し、自分たちのスタイルを信じて戦い、試合に臨んでいる。良い内容の裏には悪い内容だってある。
今、ブラウブリッツ秋田で考えるべきことは、ファン・サポーター・クラブ・スポンサーの皆さんと共に戦い続けること。そして、秋田県の子どもたちがサッカー選手を目指し続けていけるように、ブラウブリッツ秋田がまとまること。
5月19日は秋田県にとってとても大きな財産となり、未来のフットボーラーにとっても素晴らしい環境となった。
秋田県サッカー協会、秋田県すべての指導者の皆さん、父母の方々、スポンサーの皆さん本当にありがとうございました。
これからもまだまだ試合は続きます。
一体感を秋田県で出していきましょう。応援よろしくお願いいたします。
新里 裕之 ゼネラルマネージャー
2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。
1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。