我々は常に勝利に近いフットボールをする。
なぜならボールを相手より長く支配し、相手よりもゴールへのチャンスを多く作り出し、相手よりも多くの攻撃をする。そして、相手に少ないチャンスしか与えない。フィジカル的にもボールを動かすことで相手チーム全体を動かす。その結果、自然と相手のバランスという部分で問題が発生し、我々が主導権を取りやすい状況になる。
今節もブラウブリッツは自分たちの哲学を立ち上がりから披露した。相手は「4-4-2」でフォワード2人の素早いプレスからブラウブリッツのミスを誘い、即効性のある攻撃を意識していた。しかし、我々はボールポゼッション時に数的優位を作り出すことでリズム良くゴールまでのシチュエーションを生み出した。
23分、コーナーキックからヘディングシュートを決められる。
ゲーム全体では7割がブラウブリッツの時間であったはずなのに1回のセットプレーで失点をした。必ずしもボールを支配してるチームが失点しないとは限らない。時にはカウンター攻撃を受けることもあり、チーム全体がナーバスになる時間帯もある。それがフットボールだ。
ハーフタイム。
選手たちはなぜか自信に満ちあふれていた。
前半のチームとしての戦い方に対しての修正を楽しそうに思えるような雰囲気の中で話していた。
後半。
一方的に攻撃し、フィニッシュまで持ち込む回数が増えた。もちろん、サポーターやファンの皆さんからの熱い声援も止まらなかった。色んな意味でブラウブリッツのペースであった。
そんな中で86分。
待望の平井晋太郎のヘディングシュートが決まった。スタジアムの雰囲気はとても素晴らしかった。
今回のゴールで平井晋太郎はやっとリラックス出来るだろうし、これからの楽しみがまたひとつ増えた。
試合は引き分け。
やはり、企業チームであるホンダロックSCは自分たちの会社に対して思いがあっただろうし、我々に対して強いパワーで戦ってきたと思う。
我々も色々なチームと素晴らしいゲームをし、自分たちの戦いをしながら秋田スタイルを作り上げている。フットボールの良さを今回は違う視点で観たことでの発見があったし、対戦相手は常に我々に対してより強い気持ちでくることが分かった。
今週の日曜日、アウェイゲーム。
秋田らしさをしっかり出せるようにいい準備をしなくてはならない。
そして、勝ち点3を獲得できるようにチームに期待がかかる。
新里 裕之 ゼネラルマネージャー
2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。
1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。