冷静である。
今節はこれに尽きる。
相手のシステムは4-4-2。前線から2トップを中心にプレスをかけてきた。
我々はトップの2人に対して違和感を感じないこと。加えてよりクオリティを上げ、ボールを支配することを目標としていた。。
しかし、自チームでボールを保持しながら相手のリズムに合わせてしまい、ボールを奪われる回数が多かった。
45分、0-1、先制される。
攻撃時に起きたちょっとした迷いからボールを奪われての失点。
ポゼッション ※1時 にパスコースの設定を常にOFFの選手が意識することによって、ONの選手は主導権を持ちながらパスの使い分けが出来るし、チーム全体のテンポも変わる。
まずはアンティシペーション ※2 が必要。
ボールの動かし方、主導権はどこなのか?、自チームにストレスはないか?
ボールを動かしている中で相手に迷いのあるときはより全体的に攻撃するため、前に厚みを作る。
またはボールを保持しているが、相手に狙われている状況の方が状態として良いなら、ONはより積極的にチャレンジし、OFFはリスク管理を考える。
状況判断はシンプルだが意味は深い。
後半に入り、やはり我々の主導権で試合は進んだ。その中で、鈴木健児に変わり平井晋太郎が入る。
鈴木(健)は前節からのスターティングメンバー入りし、今節もバランスをとりながらシンプルにパフォーマンスをみせた。
平井が入り、全体的なパスワークから相手のサイドバックやセンターバックのスペースへの狙いは分かりやすく効果的だった。チームとしてのスタイル維持にしても、まずまずだった。
時間が経つにつれて相手はパワーがなくなりペースダウンし、ミスも増えてきた。
そんな中、54分の松田のヘディングシュートは見事。
二戸のクロスボールの質も素晴らしかった
84分に三好に代わり牧内が入る。この時間帯でうまく試合のリズムに入れた。三好は前線からハードワークし、チェンスに絡むことによって、チームに大きく貢献した。
牧内はのびのびと効果的なプレーをしていた。背後にスペースがあるならパスワークで相手を外しにかかったり、プレスが弱いならドリブルで侵入して駆け引きしたりと判断能力に良さがでた。
90分、半田に代わり精神的に心強い菅原の投入。
全体的に積極性が出ていたことで、コーナーキックを獲得。
キッカーは熊林。この時。熊林の両手が縦に動いた。アディショナルタイムの中での1発勝負であることからメッセージとしてみんなに「落ち着いて」と表現したのだろう。
我々は冷静な状況になり、パワーのある空気感に変わった。
結果、松田のヘディングシュートで劇的な逆転ゴールにつながった。
試合に勝った。
引き分けで終わるのと勝つとではクラブとしてのモチベーションが違うし、自信の持ち方も違う。
連戦の中、コンディション的にも厳しい状況で、チームとして一つになれたと思う。
そして、90分間よく冷静に自分たちのゲームを意識してくれたと思う。
最後に、ホームゲームと思わせてくれるぐらいの秋田のサポーターの皆さん、遠いアウェイゲームに足を運んで応援していただきました。
選手、スタッフは心強かったと思います。ありがとうございました。
また、明日ホームゲームがあります。是非、スタジアムに足を運んでください。よろしくお願いいたします。
※1:ボール保持時
※2:予測とともにプレーをすること。
新里 裕之 ゼネラルマネージャー
2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。
1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。