ブラウブリッツ秋田は「自分たちのスタイル!」を常に意識して公式戦に挑むことを心がけ、成果と結果を追い求めてる。そんな中での対AC長野パルセイロ戦は、お互い一歩も引かず主導権の奪い合いになる好ゲームとなった。

試合前のミーティングで。選手たちも積極的に、はっきりとポイントを絞ることでチーム内での共通理解が明確になり、よい状態でゲームができることを中心に話し合っていた。

13時、キックオフ。
主導権は我々ブラウブリッツ秋田だった。複数が関わる意図的なパスワークで1タッチ、2タッチでリズムをつくる。時間帯によって数的不利な状況もある中、リラックスしシンプルにパスワークで外していくことができていた。
プレーも進歩したといえるだろう。自チームでミスをすることもある中、予測とともに切り換えを早く判断し対応するプレーに関しても成長してると感じた。

しかし、長野は積極的にボールを奪いにきた。我々はミスをすることが多い時間帯があり、運動量を多くしなければならない状況になった。ミスをする事が悪いことではない。ミスの仕方に問題があるのだ。
失点シーンはフリーキックだった。ファウルした直後、何かの駆け引きが必要だったのか?もしくは、壁の設定がより必要だったのか?色々と言えることはあるだろう。

今回のゲームは大森の状況判断で決まった。
そこにはストライカーである松田のゴールへの意識が足元にボールを呼び込んだ。流れでゴールを生んだ。
苦しい時間帯でもピッチ場で選手たち一人一人が高い集中力を持ち続けたこと。複数あった手段の中から素早く判断を行った大森と、バイタル(※1)付近においては絶対的な仕事をする松田にボールが渡り、ゴールへすべてに結びつけた。
ゲームは90分間がすべてである。自チームをしっかりコントロールするために、お互いの距離感でコーチングの質を上げリラックスした状態を全員で意思統一すると、より苦しい時でも耐えられるし、より積極的になれる。
今回のゲームのポイントは、リードされていようともチームとしてスタイルを維持し、自分達の闘いで得点を生んだチームの精神力。
もう一つは、アディショナルタイムでゴールが生まれた瞬間、サポーターファンの声援が「勝てる」という空気になったこと。

少しずつ「一体感」という空気が形になりつつあるということは、選手達がピッチ場でファンやサポーターの皆さんに感謝し、闘ってるということが体現できてきているということであるとも感じる。そして、ファン、サポーターの皆さんが選手達と同じ気持ちで闘ってるということだ。
試合の結果は1-1のドローの勝ち点1。
勝ち点をとったという事も大事だが、ファン、サポーターと選手達の一体感の時間を増やしていきたい。

※1 バイタル…ペナルティエリアの近辺

新里 裕之 ゼネラルマネージャー

2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。

1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。