秋田でのホームゲーム開幕戦。
昨年から記録的な大雪が続き、秋田市で試合を行うのは難しいと言われていた。しかしながら、3月17日の秋田市八橋運動公園球技場はファン、サポーター、行政など本当にたくさんの方々が雪よせ作業をしてくださったおかげで素晴らしいピッチになっていた。キックオフ直前になっても、スタンドに入りきれないくらのお客さんの数。活気あふれる雰囲気。その時点で「秋田の強さ」は見えていたのかもしれない。
13時、キックオフ。
前半の立ち上がりから、我々ブラウブリッツ秋田は積極的に攻撃し、自分たちのスタイルを全面的に出していた。相手はボールを保持させまいとプレッシングを仕掛けてきたが「自信を持って闘う」という信念で我々は相手を受けて立ち、ボールを支配し続けた。前回のMIOびわこ滋賀戦よりもシュート数やコンビネーション、コーチングのリレーションなどが選手同士で見ることができた。自分たちのホームである秋田で絶対に勝つという空気が伝わってきた。
後半。
この戦いの中で「監督がどのタイミングでどのような選手を投入してくるのか?」、「選手たちが立ち上がりからどのようにまとまり、意図を持って戦うのか?」、そして、「ファン、サポーターに対して今日の恩返しができるのか?」非常に楽しみだった。後半も立ち上がりからブラウブリッツはボールを動かし、リズムを作り始めた。パスミスがあっても攻守の切り換えが早く、その時点で集中力を高く維持し、プレー出来ていると判断することが出来た。相手は我々が高い位置をとって攻撃をしてくると分かっている中で、デメリットになる場所を徹底的に狙い、シンプルに戦ってきた。
72分、半田のゴールで先制。
チームとして切り換えの判断の早さ、連動性のある戦術、コーチングの質。これらすべてが連携して生まれた得点であった。監督は65分に前山→平井、87分に半田→菅原、90分に三好→鈴木(健)とメンバー交代を行った。これはチームの安定性とより積極的に攻撃するスタイルを維持するためだったことだろう。平井は古巣相手だけにモチベーションも高く、自分の特徴を生かしながら素晴らしいパフォーマンスを披露した。菅原は精神的にもチームを安定させたし、鈴木(健)は少ないプレー時間の中、リスク管理をし、ゲームを終わらせた。選手たちの準備と気持ちを1つにしてくれたスタッフ、そして力強いファンやサポーターの素晴らしい応援で勝つことが出来た。
監督がゲーム直前の3分前にロッカールームで選手たちにこうような話をしていた。
「秋田の皆さんが雪よせを行ってくれたおかげで素晴らしいピッチになった。サッカーをさせてもらえる事に感謝して素晴らしい戦いをしよう!」と。
ファン、サポーターに対して勝ち点3のプレゼントをすることが出来たということもそうだが、我々ブラウブリッツ秋田のフットボールを見せることが出来たことはチームとして本当に大きな進歩だと思う。ファン、サポーターの皆さんもブラウブリッツ秋田の戦い方を確認することができたことだろう。
今週はアウェイゲームです。素晴らしいゲームができるように秋田、1つになりましょう!
新里 裕之 ゼネラルマネージャー
2003年、ラモス瑠偉氏らと共にFC琉球を創設し、初代監督(選手兼任)に就任。翌年現役引退。
2006年、FC琉球 コーチに就任、2009年にはFC琉球 監督に。元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現・FC琉球スーパーバイザー)とともにチームを指導した。
2012年にブラウブッリッツ秋田 ヘッドコーチとなり、横山雄次監督を支えた。
2013年よりブラウブリッツ秋田 ゼネラルマネージャに就任。
1980年8月29日生まれ、沖縄県出身。