DF 19 岩瀬 浩介

 小学校6年生の時にJリーグが開幕し、僕の隣街には鹿島アントラーズがあった。

 当時の鹿島地域は鹿島臨海工業団地を中心としたブルーカラーの住民が大半で、工場で働く地域住民と転勤族との一体感もなく、観光地といえば鹿島神宮くらいだけだった。今考えれば、地域住民が一つになれる夢がなかった。

 しかし、鹿島アントラーズが出来て街や地域の人たちは一変した。

 地域の皆が一つになれる夢が出来たのだ。試合時にはえんじ色のユニホームを身にまとい、スタジアムに足を運ぶ。田舎で車社会のため、行きや帰りには大渋滞。

 スタジアムの近隣住民はそれをいいことに家の庭を看板一つで臨時の駐車場にしていた。2000円ぐらい(笑)

 気がつけばいつの間にか今までになかった一つのスポーツ文化が出来ていた。

 そして、今ではJリーグ屈指の王者となり、いつの日か僕は地元鹿島を誇りに思えるようになった。何よりもその地域の変化への驚きと、サッカーという競技の力の凄さを知った。

 だからこそ、僕は秋田にJリーグクラブを作ることを目標に、ぶれることなくひたむきに走り続けられるのだ。